
くも膜下出血の名前を耳にしたことはあると思います。
当院での利用もございます。
若年者での発症は珍しくなく
高齢者と原因が異なりますので
書いていきたいと思います。
くも膜下出血は、
脳動脈瘤(80%)と脳動脈奇形(10%)の
大きく2つの原因があります。
その他もやもや病など(10%)
脳動脈瘤は高血圧や動脈硬化など
生活習慣が元で生じます。
一方脳動静脈奇形は
先天的(生まれつき)に
動脈と静脈がくっついてしまっている
シャントがあります。
あるいは拡張・蛇行した血管の塊がある状態を指します。
放置すれば出血が起こります。
だいたいの場合頭痛によってくも膜下出血に
気づく事が多いとされていますが、
検査(CT・MRI)をすることで
早期発見できることもあります。
その他に髄液検査等。
医療保険でのリハビリサービスは
基本的に最大150日とされています。
その後は介護保険あるいは保険外でのサービスとなります。
宮城県内で平成30年に
くも膜下出血が59歳以下152人の
発症が記録されています。
60歳以上では273人が発症しています。
そこまで珍しい感じはしませんよね。
仕事に戻りたいけれど、介護保険が使用出来ず
その他リハビリサービスをお探しの方も多いかと思います。
くも膜下出血は、発症後の死亡率が1/3と言われており
予後(発症後の経過)も不良とされています。
後にお話しますが、重篤な合併症があるからなんです。
何が言いたいかというと
若いから発症しないわけではありませんので、
自分は大丈夫と過信せずに事前検査が重要ということです。
もし、発症前にくも膜下出血を発見できた場合は
薬での管理や発症後と同様の手術を実施する
事になると思います。
ですが、くも膜下出血を発症してしまった場合は
3大合併症のリスクが伴います。
- 再発
- 脳血管攣縮
- 正常圧水頭症
生命の危険はもちろん、脳血管攣縮や正常圧水頭症を生じた場合は
麻痺や歩行障害等出現する事がありますので、
リハビリが必要となってきます。
事前に脳動静脈奇形や瘤を処置できれば安心ですよね。
そして、在宅ワーカーが増加しているため、
食生活の乱れや運動不足による高血圧(脳卒中リスク因子)
の方も比例して増加すると考えられます。
もう一つ重要なこととして、医療保険サービスを
終了した後のサービスを知るということです。
宮城県でも医療保険利用後の利用機関への連携が
課題となっています。
復職やスポーツ復帰、旅行や生活の自立など
目標を叶える為には、必要且つ利用できるサービスを
知っておく必要があるということです。
まだまだ周知されていませんが、
医療・介護費増加傾向の現状では保険外のサービスは
増えていくことが予想されます。
例えば当施設ヒポクラテスでは、
くも膜下出血後の後遺症で
お悩みの方に対して、維持ではなく改善を目標として
1回90分の施術や運動を実施しております。
よく90分の施術は長くないかと
質問されることがあります。
医療・介護保険内で
私がリハビリをしていた時は
1回が20~40分でした。
実際のところ定期的な検査や書類作成、
問診などを実施していると施術時間は
とても短く感じました。
更に施術後の変化が表れても
効果を持続・向上させていくためには
セルフエクササイズが大切です。
なぜか?
今まで使っていなかった筋肉を働かせたり、
これまでと違う身体の使い方を覚える必要があるからです。
時間が十分に確保できていれば
回数やタイミング、正しいフォームなのか
しっかり把握・安心して臨めるようになります。
介護保険利用対象であっても介護保険リハビリでは
維持目的のリハビリです。
これからもっと活動するために
充実したリハビリサービスを受けてみませんか。
参考文献:岡庭豊 病気がみえる vol.7 脳・神経 第1版 110~123